FX初心者向けのテクニカル分析②レンジ相場に役立つボリンジャーバンド

FX初心者向けのテクニカル分析②レンジ相場に役立つボリンジャーバンド

ボリンジャーバンドとは?

ボリンジャーバンドとは、テクニカル分析の中ではトレンド系、またはトレンド系とオシレーター系の複合に分類されるものです。トレンドの方向性を探るのに優れているこの分析方法は、ジョン・ボリンジャーというアメリカのアナリストによって開発されたもので、移動平均線を基準として平均偏差(σ=シグマ)を算出したテクニカル指標です。移動平均線を中心として、そこからどの程度のバラつき(幅)があるのかを表したバンド(=帯)から成るグラフで、ローソク足と合わせると以下のようになります。

上記のグラフで、ローソク足に沿って書かれている赤い実線が移動平均線です。その上にある薄い赤のラインが+1σ、下にある赤のラインが−1σ、そして上にある青のラインが+2σ、下にある青のラインが−2σです。それぞれ赤の上限のライン、青の上下のラインの間にある幅(バンド)がボリンジャーバンドです。
通常の値動きは、ボリンジャーバンドの±2σの枠内に約95%の割合で収まるとされており、この範囲を超える動きをしたときには「買い」または「売り」のサインということがわかります。例えば、ローソク足がレンジ下端の−2σに触れた場合には「買い」、上端の+2σに触れたら「売り」といった具合に、トレンドの方向性をいち早く察知するための指標として使うことができます。

トレンドのサイン?ブレークアウト

ボリンジャーバンドは値動きが静かなときは幅が狭くなり、値動きが活発になると幅が広がります。そして、上記で「通常の値動きは、ボリンジャーバンドの±2σの枠内に約95%の割合で収まる」とご説明しましたが、この残りの約5%、すなわち相場が突然激しく動いたときには、値動きが±2σの枠外に大きくはみ出し、ブレークアウトします。こうなると、どこまで上がるのか、あるいはどこまで下がるのかをボリンジャーバンドを使って見極めることは難しくなります。つまり、トレンドが発生して大きな値動きが起こったときには、ボリンジャーバンドはあまり機能しないという弱点があります。
ただし、値動きがボリンジャーバンドよりも上にブレークアウトした場合、しばらくの間は上昇トレンドが続き、逆に下にブレークアウトした場合には下降トレンドが続く、という傾向があります。そしてどこかでまた徐々にトレンドが収束し、レンジ相場に戻っていきます。
基本的にボリンジャーバンドは、ある一定の価格帯でチャートが推移しているときに活用すべきものです。大きなトレンドに対応するには、ボリンジャーバンドだけでなく、一目均衡表や移動平均線などその他のテクニカル分析を併用して分析すると、より正確な予想が立てられるようになります。