FX初心者向けのテクニカル分析①トレンド分析に必要な移動平均線
チャートの見方
「FXのテクニカル分析の基礎〜チャートの見方を理解しよう」では、基本的なチャートの見方やトレンドラインの引き方を知ることによって相場に対する理解を深める、といった方法をご紹介しましたが、ここからはテクニカル分析と呼ばれる具体的な分析方法について解説していきたいと思います。まずこちらでは、トレンド系と言われる分析方法の1つ、「移動平均線」を利用した分析方法について見てみましょう。チャート上に移動平均線があるとトレンドがより掴みやすくなり、売りや買いのタイミングを決定するための値動きを予想しやすくなります。
移動平均線は、初心者が概要を把握する上でも、熟練の個人投資家が豊富な経験に基づいて立てた独自の戦略を立てる上でも、いずれも欠かせないと言われる重要な分析方法です。初心者の方々にとっては、まずはチャートからトレンドが読めるようになって「なんとなく」の取引から卒業し、FXで勝てるようになるための第一歩として、移動平均線は必ずマスターしておきたい方法の1つと言えるでしょう。
移動平均線からトレンドを読む方法
では、具体的に移動平均線とは何かというと、過去の一定期間(5日間・25日間・75日間・200日間など)の「終値」を平均して線グラフにして表したものです。ローソク足のグラフよりも、余計な動きが消えて平均的な動きがわかりやすくなるため、よりトレンドを掴みやすくなります。

移動平均線を作成するための値の算出方法は、単純な足し算と割り算のみです。5日移動平均線なら5営業日の終値を足して5で割る、25日移動平均線なら25日営業日の終値を足して25で割る、といった具合にして出した値を線でつなぐと、それぞれの移動平均線が出来上がります。
FXの取引ツール上では、デフォルトで日数の幅が5日・25日・75日となっている場合が多いですが、これは自分で変更することも可能です。1つのチャート上には、日数の異なる3本の移動平均線を表示して、トレンド分析に役立てるというのが一般的です。
売買タイミングが移動平均線で分かる?
さて、移動平均線をチャートに表示したときにチェックしたい2つのポイントが「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」です。まずゴールデンクロスとは、短期の移動平均線(例えば5日線)が長期の移動平均線(例えば25日線)を「下から上に」向かってクロスしているポイントのこと。これは短期でも中期でも「買い」が強くなっていることを表しているため、「ゴールデンクロスは買いのサイン」と言われています。
逆に、短期の移動平均線(例えば5日線)が長期の移動平均線(例えば25日線)を「上から下に」向かってクロスしているポイントのことを「デッドクロス」と言います。これは「売り」が強くなっていることを表し、このポイントからは相場が下がっていくことが予想されます。つまり「売り」のサインであるということですね。
この2つのポイントは相場の大きな値動きを明確に表すものである一方で、これがテクニカル指標に表れてから取引を行っても、動くタイミングとしては遅すぎるという弱点があります。そのため、その他の情報から予想を立てて動いた後に、実際の値動きがどうなっていたのかを確認するために利用するという投資家が多いようです。しかしこうしたポイントを毎回確認しておくことで、次に立てる予想がより確実なものになっていきます。
