FX取引の利確(利益確定)のタイミングと損切り幅について
自分なりの利確方法を見つける
FX取引で最も重要なのは利確(利益確定)のタイミングだと言えますが、これは正解があるものではないので、初心者にとっては特に何を基準に決めたらいいのか迷うところでしょう。
利確とは、予想通りに為替レートが動いて大きくなった含み益を、一度決済して確定することです。決済した後にさらにレートが伸びた場合は「もう少し待てばよかった!」と思うでしょうし、いつか逆に動くかと待っているうちに損切りのタイミングを逃し、損失が大きくなってしまった、というようなこともよくあります。利確した直後にレートが逆に動いて、あわや損失になるところだった!ということもあるでしょう。
このように、利確はここですべきという明確な答えはありません。うまくFX取引を行っていくには、経験を積むなかで自分なりの利確のタイミングを見つけるしかないでしょう。
初心者向けの利確タイミング
利確タイミングは自分で見極めよう、と言われても、初心者にとっては何を基準に考えたらよいのやら・・・という感じではないかと思います。そこで、こちらでは初心者向けの利確タイミングの考え方をいくつかご紹介します。
①pipsで利確を決める
「FX取引の基本のキ!BID(売り)・ASK(買い)・pips(ピップス)について」でご紹介した「pips」がここで役に立ちます。これは、どの通貨ペアで取引量がいくらであっても、「○○pips動いたら利確する」と決めておく方法です。どんな取引でも使えてわかりやすい反面、通貨ペアによって異なる値動きの幅に合わせないやり方なので、事前に決めた目標幅に届かず反転して損失になってしまう可能性があることは否めません。
②損切り幅から利確を決める
①のデメリットを克服できるのがこのやり方。例えば損切り幅を15pipsと決めておき、利確も同じく15pipsに合わせる、あるいはその倍の30pipsにする、といったように、損切り幅を決め、それに合わせて利確を決める方法です。損切り幅は、1回の取引で資金の10%以下に収まるようにするというのが取引を安全に続けるための目安です。初心者はまずリスクを抑える方法を重視することをおすすめします。
③直近の高値を参考に利確を決める
直近の高値を参考にするというやり方は多くのトレーダーが行っていることです。ただし、そこまで再び上昇したとしてもすぐに反転する可能性もありますので、これを利確のポイントとするならば、まずはその値に近づいた時点で利確するといったように、ギリギリまで待たないようにするのが安全だと言えるでしょう。
④トレンドラインをもとに利確を決める
チャートを使った判断方法としては、トレンド相場やレンジ相場でレジスタンスラインおよびサポートラインを引き、レジスタンスラインの近くまで上昇した時点で利確するといったやり方があります。これについて詳しくは「FXのテクニカル分析の基礎〜チャートの見方を理解しよう」を参照してください。
⑤テクニカル指標をもとに利確を決める
フィボナッチやボリンジャーバンド、MACD、RSIなどのテクニカル指標を使って利確のタイミングを判断する方法もあります。これについて詳しくは「FX初心者向けのテクニカル分析②レンジ相場に役立つボリンジャーバンド」を参照してください。

利確できない人の対処法
上記のような方法を使っても、利確のタイミングがつかめず、迷った挙げ句に損失を出しがち・・・という人のために、2つの方法をご紹介します。どうしても自分で判断するのが難しいうちは、以下の方法がおすすめです。
①OCO注文やIFO(IFDOCO)注文を使う
OCO注文やIFO(IFDOCO)注文については「FXの注文方法をマスターしよう〜応用編〜」で紹介していますが、こうした自動で決済してくれるシステムを利用するのも1つの手です。実際に目の前で刻々と動く為替相場を目の前にすると、特に最初のうちはただひたすら迷ってしまい、冷静な判断が下せなくなることも多いと思います。そんなときに利用できるのがこれらの自動決済が可能な注文方法です。事前に決済注文の条件を入れておくことで、あとは値動きに合わせて自動的に利確されるので、悩む必要がありません。特に待つことが苦手な人、冷静さを失いがちな人には特におすすめです。
②複数のポジションを建てておき、半分だけ利確する
複数の持ちポジションがある場合は、その半分だけを利確して、残り半分は様子を見るということもできます。先延ばしにしがちな人にはこうした方法も有効です。半分を利確したあとにレートが動いて利益が上がったら残り半分が役立ちますし、また半分を利確したあとに含み損が増え始めた場合にも、損失が本来の半分ですみます。
