FXの注文方法をマスターしよう〜基本編〜
成行(なりゆき)注文
FX取引の注文方法にはいくつかありますが、まずは「成行注文」と呼ばれるものについてご説明いたします。
成行注文とは、簡単に言うと、注文をしたその時点でただちに注文を成立(約定)させたいときに使う注文方法です。これだけ聞くとまだ取引を行ったことがない人にとっては意味がよくわからないかもしれませんが、次にご紹介する指値注文との比較で理解するとわかりやすいのではないかと思います。この時点ではまず、「注文を出した時点の価格で即約定するのが成行注文」と覚えておいてください。
指値(さしね)注文
では次に「指値注文」と「逆指値注文」についてご説明します。指値とは「値を指し示す」こと、つまり事前に「このレートになったら買う(または売る)」ということを指定しておき、そのレートになったら注文を出すように設定しておくことです。
○指値注文とは
具体例を挙げると、米ドル円が1ドル=100円のときに買ったとします。この後に円安に流れたときに売ると利益が出ますよね。そこで例えば1ドル=102円になったら売ることにしよう、と決めた場合に「102円になったら売る」という注文を出しておくことができます。これが指値注文です。
○逆指値注文とは
しかし値動きは予想通りにいかないこともあり、上記の予想で取引を始めても円高に動くこともあります。そんなときに損失を大きく出さないよう、1ドル=99円99銭になったら売る、と決めておくこともできます。これを「逆指値注文」と言います。
指値注文というものが存在するということが理解できると、成行注文の意味もだんだんわかってきますよね。指値注文や逆指値注文をうまく設定しておけば、安心してトレードが行えるということです。
ただし、こうした注文を設定しておいたからといって、希望のレートで必ずその注文が成立できるとは限りません。というのは、FX会社によって約定力が異なるため、上記のように「102円になったら売る」という指値注文を出していたとしても、注文が成立する(約定する)までに多少の時間がかかることもあります。これは会社のシステムの強さによるものと言われていますが、この間にも為替は刻々と動いているため、102円になったときに注文を出しても101円に下がった時点で注文が成立してしまった、ということが起こります。これを「スリッページ」と言います。

スリッページ設定とは?
どの時点で注文が成立するかによって利益や損失も大きく変わってきますので、大きなスリッページが頻繁に起こるようでは、トレーダーは困ってしまいますよね。そこでFX会社によっては、スリッページに関してあらかじめ設定しておくことが可能なところもあります。
スリッページ設定がある場合、注文の際の価格変動の許容限度を事前に決めておくことができます。例えばこれを「30×0.1pips」としておくと、3銭までなら注文価格と約低価格の差があっても約定する、ということになります。
多少の差異が発生しても約定することを優先するならば、このスリッページ設定をしないでおく、または幅を広めに設定しておくといいでしょう。逆にこれをゼロにして設定しておけば、注文価格と少しでも異なる価格に変動した場合は注文を成立させないことになります。
